本年もどうぞよろしくお願いします。
本日は、横須賀市新年賀詞交歓会が開催されました。この行事は、横須賀市・横須賀商工会議所・横須賀市議会が共催するものです。コロナ禍以前、年頭にものすごい数の市職員を用いて、飲食も用意し、賑々しく行う様子を見て、私は「1月4日から市民のためにフル活動してほしいから、正直この準備に職員を大量にとられるくらいならば、行事は見直したほうがいいのでは」と感じていました。しかし、コロナ禍の折、人数は縮小、飲食は提供せず実施しています。これであれば、コロナ禍ですっかり人との交流が無くなってしまった今、市が機会を年頭に提供する価値もあるのかな、と感じる時間でした。
上地市長から年頭の辞、大野議長、平松会頭よりそれぞれ新年賀詞がありましたが、このブログでは上地市長の年頭の辞を紹介します。
年の初めのリーダーの挨拶というのは、その一年の行く末を見る上で重要なメッセージを含むことも多いものです。
今回、まずBMXフリースタイルジャパンカップなど、昨年横須賀市を彩った様々な音楽・スポーツ・エンターテイメント関連の取り組みに関する言及がなされました。続いて、浦賀の住友重機械工業跡地、YRP、東京九州フェリーと、本市経済の重要なテーマについて触れられていました。
特に気になったのは、「浦賀の住友重機械工業跡地では、様々な事業者からご意見を聞き、活用に向けた準備を進めており、今年はいよいよ利活用に向けて本格的に動き出し、未来を見据えた画期的な施設を作り上げていきたいと考えています。」と、少し踏み込んだ表現で、浦賀の今後について決意を述べていた部分です。
「本格的に動き出し」「未来を見据えた画期的な施設を作り上げて」の中身について、現時点で私の知る情報は何もありませんが、浦賀港周辺の3計画※が白紙になって以来、浦賀の人は次の取り組みを待ち望んできました。そして、浦賀の住友重機械工業跡地は、鉄道駅の目の前に広がる海と土地という、浦賀の人のみならず横須賀全体にとって重要な場所ですので、今年の市の取り組みに期待しつつ、市民が思う形になるよう質疑を行ってまいります。
※3計画とは、
1:浦賀国際文化村構想(1991年3月)
2:浦賀港周辺地区再整備計画(2003年4月)
3:浦賀港周辺地区再整備・事業化プラン(2004年3月)
です。これらを2018年3月に白紙にして以来、浦賀港周辺の今後がどうなるのか、ずっと待ちわびてきました。
―――上地市長の年頭の辞書き起こし―――
皆さま新年明けましておめでとうございます。
皆様方におかれましては、健やかに新春を迎えられましたことをまずは心よりお慶び申し上げます。
私もこうして皆様と同じ場所で同じ時間を共有しながら共に新年を寿ぐことができますことを大変嬉しく思います。
ようこそ、おいでくださいました。
まずはじめに、三年目となる新型コロナへの対応ですが、昨年も皆さまには引き続き多くのご理解とご協力をいただきまして、改めまして心から感謝申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました。
現在はまだ第八波の最中であり決して予断を許すことはできませんが、アフターコロナの社会をしっかりと見据え、前に進んでいきたいと考えておりますので、変わらぬご理解とご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げる次第でございます。
さて、昨年来、横須賀市では横須賀再興プラン第二ステージの様々な取り組みを続け、次々と新しい流れが生まれています。
まずは横須賀市初の試みとして、全国規模のBMXフリースタイルジャパンカップやストリートダンス大会を開催し、横須賀市内外から多くの注目と、大きな興奮を呼び起こしました。
BMXやダンスの大会は今年も引き続き実施予定であり、横須賀がアーバンスポーツの聖地になる。そんな可能性を感じているところです。
このほか昨年はカレーフェスティバルやウィンドサーフィンワールドカップ、開国花火大会など、人を呼び込む大規模なイベントを三年ぶりに開催をし、街に賑わいと楽しさを取り戻しました。
これらの大きなイベントを立て続けに再開できたことは、アフターコロナに向けた本当に力強い第一歩になったと確信しています。
また、浦賀の住友重機械工業跡地では、様々な事業者からご意見を聞き、活用に向けた準備を進めており、今年はいよいよ利活用に向けて本格的に動き出し、未来を見据えた画期的な施設を作り上げていきたいと考えています。
加えて、開設25年を迎えたYRPでは新たに二つの企業が自社ビルを整備し操業開始したほか、新規のベンチャー企業や大学研究室はもとより、国際規格に基づいた携帯電話基地局などの試験認証を行う日本初の拠点も開設されました。
そして一昨年に就航した東京九州フェリーにおいては大手運送事業による新たなモーダルシフトを実現し、トラックドライバーの運転時間の削減と、CO2排出量の削減という二つの大きな社会課題の解決に動き出しました。
更に私はまず今月にはいよいよ横浜・F・マリノスの練習場がオープンします。
一つの自治体の中に、プロ野球とプロサッカーそれぞれの練習場があるというのは非常に珍しく、それだけ多くの市民の方々にスポーツの醍醐味を身近に感じていただける環境をご用意できると思います。
また四月にはソレイユの丘が季節を問わず丸ごと遊び楽しめるエンターテイメントパークとして生まれ変わり、こちらも三浦半島を代表する観光スポットとしてさらなる発展を遂げる予定です。
このように今横須賀ではこれまでにはない様々な新しい流れが次々と生まれており、今年はいよいよその流れをより大きな大河へとさらに発展させていく年にしたいと思っています。
ただコロナ禍の折、人との面会を控えるあまり、健康や福祉の心配を誰にも相談できず不安を抱えていた多くの市民の方がいらっしゃいました。
そこで横須賀市ではいつでもどこからでも気軽に福祉に関する相談をいただけるよう昨年4月より、よこすか福祉LINE相談を開始いたしました。
この他、親からの虐待によってやむなく自立援助ホームに入居しながら大学に通っていらっしゃる学生に対し、市民や企業の皆様からの篤志による よかった、ありがとう基金 を原資に生活費などを補助する取り組みを国内で初めて実施することができました。
常々申し上げていることではありますが、行政の最終目的は人々を幸せにするという意味で福祉の充実であり、その目指すべき姿が横須賀で暮らす全ての人々がお互いを認めあい、手を取り合って慈しみ合うこと、助け合うことができる、誰も一人にさせないまちであります。
とりわけこの三年間は町内会・自治会・民生委員児童委員の皆様をはじめ、本当に多くの方々に誰も一人にさせないまちの趣旨にご理解いただき、数え切れないほどのお力添えをいただきました。改めまして、心から御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
ぜひ今年は先ほどご説明した数々の新しい流れが、これらの福祉の施策に代表されるように、誰も一人にさせないまちの推進力として確実に昇華できるよう、引き続き全身全霊で取り組んでいくという決意を、一年の始まりに皆様の前でお伝えをさせていただきたいと思います。
本日こうして今年も無事に皆様と一緒に新年を寿ぐことが出来ました。
ただ今回もマスクの着用をお願いした上での開催であり皆様のマスクの下の笑顔まで拝見することは叶いませんでした。
今年卒業する中学生・高校生は一度もクラスメイトの素顔を見ないまま、そして文化祭や体育祭など先輩・後輩の垣根を越えた行事を実施できなかったまま卒業の時を迎えます。
この三年間で私たちは本当に多くのことを犠牲にしてきました。
今年こそようやくマスクを外す時が来て、元の通り交流を再開することができると信じています。
そして、その時こそ、誰一人させないまちを目指し、皆様と共に紡いでき横須賀の人と人との絆が改めて花開くことと確信しています。
ぜひ皆さまには今後も引き続き変わらぬお力添えを賜れますよう、これからお願い申し上げたいと思います。
結びになりますが、皆様にとって令和五年が心躍る輝かしいになりますようご祈念申し上げまして、私の年頭の辞といたします。今年も一年、どうぞ宜しくお願い申し上げます。ありがとうございました。