12月定例議会が始まりました。本日は一般質問でした。
様々な質問から、気になった点をお知らせします:
■災害図上訓練の反省で、訓練参加者のダイバーシティについてはやはり何もコメントはなかった
11月2日に実施された災害図上訓練に関する質問がありました。以前、私のブログで、「ほぼ男性しかいなかった」と紹介した訓練です。
訓練後、議員に共有された訓練実施内容と評価において、訓練参加者のダイバーシティに関する言及が県のアドバイザーなどからも一切なかったことはブログで紹介した通りですが、今回の市長との質疑でも、やはり特にその論点はありませんでした。
人権・ダイバーシティ推進課が市長室に移管された初年度ですから、いろいろと期待したいところなのですが、今のところあまりその効果を発揮しきれていないように感じます。人権・ダイバーシティ推進課を非難する意味ではなく、全庁的にまだまだ、という意味で、むしろ人権・ダイバーシティ推進課に対して他部局が積極的に意見を求めていってほしいのです。随所でジェンダー平等の観点が、抜けています。一目見れば「ほぼ男性だな」と誰の目にもわかるので、まずは訓練を実際に重ねて、この状況に違和感を覚える人がちゃんと反省点としてこれをあげられるようにしていくことが必要なのかもしれません。
■スクールサポートスタッフ(市立小中学校にて、採点業務など教員が行う業務を補助する職員)を増やす努力を教育委員会はしっかり続けてくれそう
会派の政策提言、代表質問でも求めていた、スクールサポートスタッフの活用について、わが会派の竹岡議員が再び質問をしてくださいました。
教頭先生があまりにも忙しすぎるという問題を取り上げ、その中でスクールサポートスタッフに関する県教育委員会とのやり取りの状況を問うたところ、教育長から「先生が授業に入った後はそれぞれの連絡業務を、職員室に教頭一人しかいない状況になります。これらの手伝いをしてもらうために、スクールサポートスタッフというのを、これは国費で認めて、県が支給している。つまり、学校の仕組みの中に飛び込ませている。で、これだけでは足らないのだと今回(の勤務実態調査の結果として)も出てきますので、それをもって改めて県教育委員会に今の管理職に対する体制強化を申し入れていこうと思っています。」と答弁がありました。
教育長は「付焼刃的で苦しい」と表現しており、確かに教職員の定数改善など、そもそも国がやるべきことが長年なされなかった結果がいまの事態を招いているので、市教委も苦しい立場にあります。一方で、市教委独自施策であっても、やっていかなければ、現場の状況は一向に良くならないので、そこは前のめりに取り組んでほしいです。
■「ピースロード」の表敬訪問や世界平和統一家庭連合横須賀家庭教会へのメッセージの本市の対応について
昨今報道が続く、旧統一教会を巡る質問もありました。
本市が、統一協会関連団体が関わる「ピースロード」(自転車で各地を回るイベント)の表敬訪問を受けていたこと、世界平和統一家庭連合横須賀家庭教会にメッセージを出していたことが分かったとのことで、
「「ピースロード」の表敬訪問や世界平和統一家庭連合横須賀家庭教会へのメッセージの本市の対応について、現在、市長はどのような御認識をお持ちか。また、統一協会をどのような団体だとの御認識をお持ちか。今後、統一協会関連団体との関係を一切絶つことをお約束していただけるか。」という質問がありました。
これに対し、上地市長から
「今回の安倍元総理の事件まで、この団体が法令違反や著しく公共の福祉を害すると思われた行為を継続しているという認識が無かったために、当時の対応が、誤った対応だとは考えておりません。現在では、報道の通り、法令違反や、著しく公共の福祉を害すると思われる行為を行っている可能性がある団体として、文部科学省から質問権の行使がされたものと認識しております。よって、今後は、現在のところ、当該団体に対するメッセージの送付など、特別な対応をしない方針です。」
と答弁がありました。
道義的にそれはいかがなのかという観点はあると思いますが、法的にどうなのかという話は慎重に整理して検討する必要があると私は思いますし、本件については、横須賀市としての過去の対応が法的に問題あるものとは言えないように思います。
ただ、一点気になることがありました。
9月定例議会で、旧統一教会系団体との関わりについて質問があり、旧統一教会系団体に対する公共施設使用許可や催しへの後援などの実績についての答弁で、「過去5年間について調査したところ、使用許可件数は122件です。後援及び共催の実績はありません」とあったのですが、そうか、本件のような「メッセージの送付」のような形は、後援でも共催でも無いから、答弁には表れなかったのか…という点です。
確かに、「聞かれたことには答えている」ので、答弁としてはそれで成立していますが、答弁内容の周辺にも情報がまだあるのではないかと、議員側もしっかり感度高くある必要があるな…と感じる出来事でした。