【黙食、マスク、学校】(2022年12月6日 環境教育常任委員会)

12月定例議会の報告です。

今定例議会では、学校での感染症対策のありかたについて、3件の陳情が提出されました。

・陳情第24号 小中学校等における新型コロナウイルス感染症対策のための黙食ルールの緩和について

・陳情第25号 小中学校等における昼食時の新型コロナウイルス感染症対策の
在り方を改めて検討することについて

・陳情第26号 小中学校等における新型コロナウイルス感染症対策の見直し
及び周知について

長期化するコロナ禍で、お子さんの学び、暮らしを考える上で、保護者のかたが悩み続けた末の陳情と、重く受け止めています。

■感染防止と、児童生徒の生活のありかたの両立

 教育委員会からは、楽しく会話をしながら給食をとる重要性が改めて所見で示されつつ、季節性インフルエンザの同時流行への対策が必要な点や、新型コロナウイルス感染症に関しても、たとえばピアニカの合奏や、合唱ののちにクラス内で感染が急激に広がった事例などがやはり市内学校でも相次いでいるため、現在黙食を今すぐ一律になくす判断は難しい旨が述べられました。児童生徒・教職員のいのちを守るため、感染拡大防止を徹底する意味での黙食・マスク着用の継続は必要と、私も感じます。

 一方で、冒頭も記しましたが、お子さん・保護者は、悩みに悩んで、本陳情を提出されています。実は、本陳情以外にも、保護者からのご相談を私もいただいていました。

 屋外での運動時など、マスクをつけるべきではない(つけるとむしろ危険な)場面での着用不要は徹底して周知すべきです。また、感染予防を考えた黙食、授業などでのマスク着用は必要なことです。このことと、子どもたちがその在り方によっていじめ・差別を受けないよう生活を守ることの両立ができるよう、引き続き考えていきたいと思います。

――教育委員会の所見――

■陳情第24号:小中学校等における新型コロナウイルス感染症対策のための黙食ルールの緩和について

■陳情第25号:中学校等における新型コロナウイルス感染症対策のあり方を検討することについて

現在本市小学校中学校特別支援学校においては文部科学省のマニュアルや横須賀市保健所の助言をもとに感染防止対策として昼食時間は飛沫防止用パーテーションを設置し、会話を控える指導を行っています。

学校給食法では、学校給食の目標の一つとして学校生活を豊かにし、明るい社交性、協働の精神を養うことが定められており、子どもたちが楽しく会話しながら昼食時間を過ごすことは大切なことであると認識してます。

しかし、現在学校関係者含め、市内の新型コロナ感染者数は増加傾向にあり、複数の学校で、感染拡大を防止するための学級閉鎖措置を講じている状況です。

新型コロナ感染症と季節性インフルエンザの同時流行に備えた対応が求められる中で、学校でも継続した感染症対策が必要であると考えています。

教育委員会としても、コロナ感染拡大前のように児童生徒が楽しく会話をしながら給食を食べられるようにしたいと考えていますが、現在の感染状況を踏まえ当面は会話を控える指導を継続しつつ、感染状況を見極めながら、今後の感染防止対策について判断していきたいと考えています。

■陳情第26号:小中学校等における新型コロナウィルス感染症対策の見直しおよび周知についての所見

本陳情は、小中学校等における新型コロナウイルス感染症対策のためマスク着用や消毒、昼食時の黙食事対策の見直しと児童生徒や保護者への周知を求めるものです。

まず陳情項目①児童生徒のマスク着用の自由化及び ②運動時のマスク着用の禁止についてです。マスクの着用については学校生活における保健指導の一環として、マスクの着用が必要な場面や、運動時などのマスクの着用が不要な場面について指導を行っています。

このことについては、令和四年6月及び10月に学校を通じて保護者への周知も行っています。

またいかなる場合においてもマスクの着用の有無によっていじめや差別偏見などが起こらないよう指導徹底することを学校に依頼しており、令和4年10月にも再度通知しました。

次に③消毒の自由化についてです。

消毒については清掃により清潔な空間を保つ健康的な生活により、児童生徒等の免疫力を高め、手洗い等を徹底することが重要であるという考え方のもと、通常の清掃活動の一環として多数の人が触れる部分などポイントを絞って消毒の効果を取り入れています。

また、現在は清掃活動とは別に消毒活動を行うことは、感染者が発生した場合でなければ不要としています。このことは、昨年度から学校に通知しております。

次に④黙食、パーテーションの使用の中止についてですが、こちらは先ほど陳情第24,25号所見として申し述べた通りです。

続いて⑤行事の実施および ⑥授業等の実施についてです。行事や事業については、市全体の感染状況や学校内の感染状況に応じて必要な感染症対策を講じながら学びの機会を保障することを学校に依頼しています。

学校はそれぞれの狙いに沿った教育活動とそれに伴う感染症対策を、創意工夫を重ねておこなっています。

最後に、⑦免疫力を高める方法についてです。

学習指導要領には生涯を通じて健康安全で活力ある生活を送るための人がつちかわれるように配慮するとあり、学校は心身の健康の保持増進に関する教育を、学校の教育活動全体を通じて、教科等横断的な内容として、行っています。今後も必要な情報があれば学校に周知するなど、教育委員会として学校を支援します。

教育委員会として、新型コロナ感染症対策については、文科省や厚生労働省から示される指針に加え、横須賀市保健所の指導助言を受け、横須賀市の感染状況に応じて対策を行っています。現在、全国的には第8波の兆候が見られること、過去2年いずれも年末年始に感染が拡大していること、この秋冬における季節性インフルエンザとの同時流行などが懸念されています。実際にも現在新型コロナ新規感染者数は全国的に増加傾向にあり、本市学校関係者の罹患者数も同様の傾向を示してます。

特に11月からはその傾向が顕著であり、複数の学校で感染拡大を防止するための学級閉鎖措置を講じている状況です。教育委員会としても学校における感染防止対策について緩和できる部分があればなるべくはやくそのようにしたいと考えておりますが、今はその時期としてはないと考えています。

今後も引き続き市内の感染状況に十分留意し、横須賀市保健所の指導助言を受けながら必要に応じて感染症対策の見直しを適切に行い、児童生徒や保護者への周知を行って参ります。