【聴力と学び】

いただいているご相談で、私の宿題となっている中に、「聴力と学び」をめぐる課題があります。

聴覚障害のある小学生が、やがて中学生に上がることを踏まえたうえで、今どのような学習環境を整えればよいかという内容です。個別の学習保障は成されるものの、子ども同士の学びの機会を広げたり、友達を増やしたりするうえで、カリキュラム上は見えづらい学びの機会の喪失が聴覚障害のある小学生にはあって、これをどのように増やしていけるのかが宿題となっています。

いつも駅立ちをサポートしてくださるかたが、手話通訳のプロフェッショナルなのでいろいろと教えていただくのですが、

・聴覚障害にもいろいろとあって、かつ親子関係の中で、様々なパターンが考えられること

・「聞こえない」のと「難聴である」のは違うので、本人にとってより良い学習環境も異なること

・親「聞こえない」-子「聞こえない」と、親「聞こえる」-子「聞こえない」では、親が子のために整えたいと思う学習環境にも差が出てくること。

・親の思いと、子の願いに違いがある可能性もあること。

と、駅立ち前後の会話の中でも、検討すべき点を多数いただきました。

今ある仕組みの中で対応できていることと、今ある仕組みでは不十分・もしくは仕組みが存在しないことを丁寧に分類していって、課題の正体が何で、それに対してどのような行政資源が必要なのかを検討しています。軽度の聴覚障害を含めると、日本の小児の13.5%程度に聴覚障害があると推定する研究もあり(苅安et.al 2016)、誰もがインクルーシブ(包摂的。取り残されない)に学べる学校づくりに欠かせない視点です。ぜひご意見ください。